BON-UTA, A Song from Home 盆唄

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2019 / ドキュメンタリー / 134min G
全世界(日本を除く)
英語・中南米スペイン語・インドネシア語・タイ語・中国語(簡体字・繁体字)
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Synopsis

伝統芸能を通して結ばれる福島とハワイの物語

2015年。東日本大震災から4年経過した後も、散り散りに避難先で生活する福島県双葉町の人々は伝統「盆唄」の存続を危惧していた。そんな中、100年以上前に福島からハワイに移住した人々によって盆踊りが受け継がれていたことを知る。双葉町の人々は盆唄を披露すべく、ハワイ・マウイ島へと向かった。自分たちの伝統を絶やすことなく後世に伝えられるのではと、希望を抱きながら奮闘する双葉町の人々を追ったドキュメンタリー。やがて故郷と共にあった盆唄が、故郷を離れて生きる人々のルーツを明らかにしていく。監督業と共に桜坂劇場も経営する中江裕司監督が双葉町の豊かな伝統芸能と、ハワイのボンダンスにまつわる音楽、その背景を鮮やかに映し出す。
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Director Profile

中江裕司

1960年京都生まれ、その後沖縄に移住。これまでに『パイナップル・ツアーズ』(92)や、『ナビィの恋』(99)、『ホテル・ハイビスカス』(04)、『土を喰らう十二ヵ月』(22)などを監督。2005年には、那覇市内の閉館になった映画館を「桜坂劇場」として復活させ、映画上映のみならず、ワークショップやライブ、市民講座も企画。沖縄文化の発信地となっている。
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盆唄
キャスト
福島県双葉町の皆さん、マウイ太鼓
監督
中江裕司
脚本
海外窓口
テレコムスタッフ株式会社
桜坂劇場
桜坂劇場

お盆に村のみんなで踊る「盆踊り」。その踊りを盛り上げるのが「盆唄」。同じ町でも、地域によって趣が違い、各地域の盆唄が代々受け継がれています。ちなみに、「盆」という言葉が使われていますが、宗教的意味合いは薄く、ご先祖様をお迎えしながらも、ご先祖様そっちのけになるほどに踊り狂います。年に一度だけ許された、思いっきり騒いで羽目を外していい日。では、その日以外はどう過ごしていたのか。
映画が映し出すのは、震災で原子炉が爆発して以降、故郷を失ってしまった福島県双葉町の人々。住まいは散り散りバラバラで集まることもできず、唄や太鼓や踊りの練習もできず、もちろん盆踊りも開催できない。このままでは消滅してしまいそうな「盆唄」。そこから映画は、双葉町の人々が、先祖代々、いろいろなものを失ってきたという長い長い歴史を紐解きはじめます。唄、故郷、暮らし、彼らが何かを失う背後に必ず見えてくる、日本という国。失いながらも生きることを諦めなかった人々が生み出した、力強くて生命力溢れる「盆唄」には、この国の光と闇が同居しているという事を知ることになります。

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中江裕司
中江裕司
監督

そして「盆唄」は続く

2015 年から3年間、福島県双葉町の盆踊りを残そうとしている横山久勝 さんたちを撮っていた。当時の双葉町は全域が帰還困難区域。双葉町から避難していた横山さんたちは、自分の土地に入るのに身分証明書を提示するのが辛そうだった。双葉町に入っても横山さんたちは防護服を着なかった。「俺たちは慣れてっから。みんなは着ていいのよ」と。たぶん、故郷の双葉町が汚されていることを認めたくなかったのだろう。ドキュメンタリーは撮り始めるのは簡単だが、撮り終わるのが難しい。終わりを模索し、私は「一日だけ双葉町に帰って盆踊りができないですか?」と提案した。横山さん「それは不可能だと思うよ」私「双葉での盆踊りをラストシーンにしたいのです」横山さん「無理だよ。誰も戻らない」。そして2023年夏、横山さんから電話があった。「今年は双葉町の駅前で盆踊りをやるよ。映画でやったやぐらの共演もやる」と、うれしそうだった。盆踊りには避難した人も亡くなった人も、みんなが集まる。そして、盆踊りは続く。

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